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India Report


India Tour 2017 Report     Ryota Saito( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

  1. はじめに

私は今回のツアーで初めてインドに訪問した.1週間の滞在中に,IITデリー校の学生との交流,デリーメトロの視察,タージ・マハルの観光を通じて,私のインドに対する先入観は大きく裏切られた.本報告書では,私の体験したこと,感じたことを述べる.

  1. ゲストハウスでの生活

私たちはデリー校内のゲストハウスに1週間宿泊した.部屋は日本のホテルと比べても遜色ないほどの部屋の広さ,家具,清潔さを兼ね備えており,おかげさまで部屋では快適に過ごすことができた.ただ,ときどき水道の水が蛇口を閉めても止まらなくなってしまったこと,シャワーのお湯が出なくなってしまったことにはほとほと困らされた.

IITデリー校内のゲストハウス

  1. インドのカレー

ゲストハウスの食事は,やはりインドといえばカレーであり,細長くてパラパラしたインド米とチャパティと一緒に出てきた.なお,こちらが食事をする手を止めなければ,無限におかわりを持ってきてくれる.インドはベジタリアンの人が多いらしく,肉は入っておらず,ヒヨコマメやインゲンマメなど豆の入ったカレーが多かった.豆はたんぱく質を多く含んでおり,高栄養価なので,十分食べごたえのあるカレーあった.一言でカレーといっても,スパイスの配合,具材の種類よって,その味は全く異なっており,滞在中に幾種類ものカレーを頂くことができた.毎食カレーの生活を通して,インドのカレー文化の素晴らしさを垣間見た.

ゲストハウスで出たカレー

  1. IITの学生

 IITは,工学と科学技術を専門とする,インドの16の国立大学の総体であり,今回のツアーではニューデリーに位置するデリー校に訪問した.IITはインドの最高学府であり,倍率50倍以上もある最難関の入学試験をくぐりぬけたエリート学生が集まっている.卒業生には,Googleの現CEOであるサンダー・ピチャイ,孫正義ソフトバンク社長の後継候補だった元ソフトバンクグループ顧問ニケシュ・アローラなどがおり,世界トップレベルの人材を多く輩出している.

私たちは,IITの土木工学科の,構造力学や水理学,GISなどの講義を聴講した.講義の時間はそれぞれ1時間であり,全て英語で行われている.また,コンクリート研究室や地盤研究室などを訪問し,各研究室のPh.D.の学生に研究内容や実験器具の使い方の説明を受けた.IITの教育カリキュラムは,午前は講義,午後は演習やディスカッションのように分けられており,学生が自分の頭で能動的に考えることを要求する非常に実践的な学習環境が用意されている.

私はIITの訪問を通じて,学生の学習意識が非常に高いことを痛感した.この理由として,インド人はみなインド占星学で人生の節目ごとの自分の将来の目標を決める慣習があり,自分の人生のロードマップを持っているため,明確なビジョンを持って学習に当たっているということ,また,インドは貧富の差が大きい国であり,貧しい環境から抜け出すために勉強をするというモチベーションが日本よりも圧倒的に強いということを知った.

IITキャンパス風景

  1. デリーメトロの視察

デリーメトロは,デリーおよびその近郊に路線網を持つ地下鉄である.路線は六本あり,総延長約193km,駅は148ある.地下鉄が建設された理由としては,経済発展による交通渋滞の緩和と大気汚染を防止する目的が大きい. 2016年度の利用客は1日当たり260万人である.初乗りは8ルピー(約15円)と,インド国民が利用しやすい運賃設定になっている.

インド政府は1995年からデリーメトロ建設プロジェクトをスタートさせ,JICAがそれを今日までずっと支援してきた.デリー中心部をカバーするフェーズ1と、デリーから周辺部への延伸路線のフェーズ2に分けて実施され、総事業費約6667億円のうち、JICAは約3748億円の円借款を供与した.JICAの協力は資金面だけでなく,安全運行や車両維持管理に関する能力を向上させるため、東京メトロを運行する東京地下鉄(株),メトロ車両(株)の協力のもと,デリー地下鉄を運行するデリー地下鉄公社への技術支援を行った.

私は,デリーメトロを視察して,駅構内が非常に清潔であり,日本の東京メトロとほぼ同じレベルのサービスが提供され,インド国民の生活に完全に根付いていることに驚いた.デリー地下鉄公社が利用者に対して地下鉄内でのゴミ廃棄禁止ルールや,駅員が乗客の整理を行うために「並ぶ」という文化を根付かせた結果であるということをJICAの職員から伺った.本プロジェクトは,日本がただ単に技術支援しただけでなく,インドに文化的革新を起こしたのである.

デリーメトロ構内

  1. タージ・マハルの観光

タージ・マハルは,インド北部アーグラにある,ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが,1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのため建設した総大理石の墓廟である.インド・イスラーム文化の代表的建築である.

インド人のガイドから,「自分は何百回もここにきているが,そのたびにタージ・マハルの墓廟を見て,感極まった思いになる.それは,晴れた時,靄がかかっているとき,朝方,夕方,いつみても美しい.」と話を伺った.

タージ・マハール

  1. 終わりに

今回のツアーを通して,インドという国のポテンシャルの高さを伺い知ることができた.インドは発展の途上にあるが,都市の様相は年単位のスピードで変わってきている.土木を勉強する身として,国の発展していく姿を間近で感じることができたのは有意義なことであった.

India Tour 2017 Report     Masahito Omori ( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

本プログラムは、IIT-Delhiの学生との交流、日本企業への訪問の2部に分かれています。本レポートでは、時系列順にたらたらと追っていくのではなく、それぞれの部で気付いたことを箇条書きしていこうと思います。

0.出発~ゲストハウス到着まで

インディラ・ガンジー国際空港に3月12日22時ごろ到着しました。

immigrationやらexchangeやらで23時30分ごろ空港を出発です。空港ロビーでガイドが出迎え、IIT-Delhiへと向かいました。

ガイドの「まずは楽しむことです。日本と違うことが多々ありますが、イライラするのではなくて『ここはインドなんだ』と思って楽しんでください。」というあいさつで始まりました。

(到着直後のインディラ・ガンジー国際空港の様子)

 

  1. IIT-Delhiの学生との交流

初日の午前中は授業を受け、午後は研究室訪問、2日目の午前中も授業を受け、午後はゼミに参加するというものでした。

・授業について

 日本とあまり変わらないという印象でした。よく言われる「日本人は授業中に積極的に発言しようとしない」というものがありますが、生徒の主体性についてはインドも日本もあまり変わらないと思いました。学部生向けの講義を聴講したのですが、レベルについても我々が3年生で学ぶような内容であり、差は感じませんでした。

(授業の様子)

 

 一方で、授業は英語で行われており、修士以降の選択肢の幅は圧倒的にインドの学生のほうが多いと感じました。日本では学部の時は日本語で、修士からは英語で授業を行うということになっていますが、専門用語くらいは学部の時から教えてもよいのではないでしょうか。

・研究室訪問、ゼミについて

 橋梁研究室、土質力学、岩盤力学の研究室を訪問しました。どの研究室も活気があり、積極的に実験に参加していました。

 各研究室のドクターの方が説明をしてくれたのですが、専門用語が日本語でしか理解できないので、半分くらいは理解できませんでした。「君本当に修士の学生なの?」という顔をされてとてもつらかったです。

 

  1. 日本企業への訪問

3日目はデリーメトロの建設現場見学およびHONDAの工場見学を行い、4日目は日本コンサルタンツ訪問およびJICA訪問を行いました。ここでは特に印象に残ったインドの方とどう働くかということについてまとめたいと思います。

・信頼関係の築き方について

 JICAの古橋さんによると、現地パートナーとの信頼関係をとても大切にしているそうです。特に「上から目線にならないこと、相手の立場になって考えること」「連絡はメールではなく双方向のコミュニケーションである電話で行うこと」という話は現地で働いている人ならではの気付きなのではと思いました。

・人材育成について

 インドは急成長しているとはいえ、日本企業が伝達できるノウハウはたくさんあります。HONDAの備中さんは「人の手でできるところはなるべく人で組み立てを行う」ということを実装したそうです。初期投資が少なく将来的な技術革新に対応しやすいという側面もありますが、「HONDAのphilosophyであるものづくりを体験してもらいたい」という側面もあるそうです。

(デリーメトロ建設現場の様子)

 

I participated in India study tour from 12th to 20th March. The objective of the tour was to visit IIT-Delhi and Japanese companies. Students in IIT-Delhi were passionate and hardworking, and Japanese companies working in India were very eager to contribute to Indian infrastructure. I visited JIC, HONDA and JICA, and I learnt lots of things from them.

It is my great honor to having spent one week in India, and I am sure that this amazing experience will keep influencing my life forever in a positive way.

India Tour 2017 Report     Akio Konno ( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

2017年3月12日〜20日の期間で「インド工科大学デリー校と企業視察」のプログラムに参加し、インドのデリーを訪問しました。本プログラムでは、デリーメトロ建設現場、ムンバイ・アーメダバード間の新幹線プロジェクトを始めとする日本企業のインドでの活動を視察することができました。本レポートでは、上記プロジェクト及び本ツアー全体での感想を述べたいと思います。

 

デリーメトロ建設現場について

デリーメトロはJICAの円借款と技術支援の下で行われたプロジェクトでした。日本の安全基準と時間厳守の考えがインド人土木技術者の間で浸透し、プロジェクト期間内で完工するというインドでは異例?の事例であり、日本のODA案件でも最大の成功例の一つとして認識されています。今回の建設現場視察では掘削中のトンネル工事を見ることができました。地下鉄といっても日本の東京メトロ等と比較して地上走行区間も長く、合計5kmほど歩いて現場の雰囲気を感じ取ることができました。印象的だったのは、現場の土木職員達が誇りを持って進行中のプログラムについて語ってくれる点でした。トンネル現場視察の翌日は、JICAデリー事務所で勤務している社会基盤学科国際プロジェクト研究室出身の古橋さんにデリーメトロの詳細な説明や案内をして頂き、その後デリー事務所にてJICAの業務説明をして頂きました。私の所属研究室の先輩ということで、気軽に有意義なお話をたくさんすることができました。デリーメトロはデリーの道路交通の状況を考えると信じがたいほど優れたサービス水準(時間正確性、社内の快適さ)を誇っていました。また、その後JICAデリー事務所長からご講演いただき、その際にデリーメトロが女性の社会進出を促進したという話に感銘を受けました。デリーの地下鉄では、運行時間帯は女性専用車両が完備されている為、これまで屋外に出ることを躊躇していた女性が安心して移動できるという、交通渋滞緩和以外の側面でも貢献していることを確認できた。

デリーメトロのトンネル掘削現場

 

新幹線プロジェクトについて

2015年に日本政府がインド政府と結んだグローバル戦略的協定の一環として、デリー・アーメダバード間で500kmに及ぶ新幹線を日本の培った技術力を用いて導入するという事例です。インドは今後国内に8つの高速鉄道を整備する計画を立てており、その第一歩として本プロジェクトが計画されています。近年これまで援助対象であった開発途上国地域へのインフラ海外輸出が盛んであり、費用面で勝る中国などとの受注競争に今後勝っていく為には、本プロジェクトを5年という期間内で終わらせ、施工後の安全管理を確保することは今後の日本政府のインフラ輸出計画において非常に重要です。今回のツアーでは、日本工営・オリエンタルコンサルタンツグローバル・日本コンサルタンツ3社の合弁会社を訪問しました。プログラム前半で学生側からインドへの新幹線導入時に想定される問題点について発表を行い、その後現地社員からフィードバックを受けるという形式でした。世界最大の民主主義国家であるインドでは、土地収用の段階が非常に困難かつ時間を要するため、住民側と可能な限り迅速に協議すること、そしてインドでは土木技術者の技術水準が未だに非常に低い為、技術教育が重要であることを知りました。現地企業ではインド人の建設コンサルタントもいらっしゃり、非常に優秀かつ質問に丁寧に答えてくれるのが印象的だった。

 

その他

本ツアー期間中はインド工科大学デリー校のゲストハウスに滞在した。到着翌日はホーリー祭に参加し、現地の学生と色粉を体に塗りつけあい、親交を深めることができた。食事について、やはり現地のカレーは非常に美味しかった。日本食を食べる機会が何回かあった為、最後まで飽きることなくはなかった。物価は非常に安く、大学の食堂では100ルピー前後で十分な食事を取ることができた。また、今回のツアーでは本田技研工業、東京大学インド事務所を見学する機会を設けて頂きました。

 

まとめ・謝辞

インドはshantaramという小説を読んでからずっと訪問したいと思っていた国であり、今回のツアーでインドの風土、国民性など全てが好きになった。来年以降もこのプログラムが続くのであれば、是非参加することを薦めたい。参加する場合は、ワクチン注射は必ずしてから行くべきです。また、今回のツアーを実現していただいた、蘇先生・小山さんには本当に感謝しております。また、ツアーガイドの方、参加した学生の皆さんも本当にありがとうございました。

新幹線同級に関する議論の最中           ゲストハウスでの様子

India Tour 2017 Report     Satoshi Morishita ( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

インドツアーで印象的だった3つのこと

この報告書は私が今回のインドツアーで印象的だった3つのことについて記述するものである。インド工科大学デリー校の訪問をはじめコンテンツが非常に充実したツアーであったが、その中でも特に印象的だったデリーメトロ現場見学、ホンダ工場見学、インド人学生との交流について書かせていただく。

1 デリーメトロ

デリーメトロとはデリー市内を走る地下鉄である。現在6路線を有しており、総延長約193km、駅は148ある。日本のインドODA案件で最も成功を収めている案件と言われており(途上国大規模工事案件にもかかわらず工期短縮に成功、工事における”安全”の概念の導入、乗車ルールの設定による乗客モラルの向上など)、日本のODAの一つのモデルケースとされ研究も積極的に行われている。今回のツアーでは建設現場の見学と駅構内の様子を実際に利用して視察した。

 まず建設現場であるが、印象的だったのが作業員と管理者の関係が非常に明確であることであった。管理者の方が工事の内容や設備について説明してくださったのだが、その説明しているときに工事作業が行われ、騒音により説明の内容が聞こえなくなるとヒンディー語で「やめろ!!」と強く作業員を怒鳴りつけるのだ。これは管理者の腰が低く、作業員となるべく友好な関係を築き上げようとする日本の建設現場とは大きく違うもので、カーストや教育レベルによる明確な地位のクラシフィケーションがなされているのだなと感慨深いものであった。2点目に印象的だったのが工事現場全体がおっとりしているということだ。単純に作業員が少なく、ローテを組んでいないだけかもしれないが、基本的に作業している作業員の数は日本の比で少なく、また休んでいる人の割合も大きかった。私たちが現場見学の休憩をはさむと一緒にジュースとチップスを食べ、セルフィーを行うかれらの健やかな表情を見るに、非常にワークライフバランスがとれた労働環境になっているのではないかと推察される。これだけの余裕をもって現場を回していける十分に余裕をもった計画策定が行われているのだろうか。総じてインドの労働事情の一面を垣間見ることが出来る良い機会であった。(本来の視察の目的とは離れるかもしれないが。)

 次に実際の利用を伴ったメトロの視察であるが、これは駅構内に大きく設けられたデリーメトロ事業の意義プロバガンダとその中でファンディングを行った日本のJICAが大きく強調されている点が非常に興味深かった。というのも国際協力の授業において「日本のODAの目的が自国の利益重視」へと舵切られ「ODAの見える化」が叫ばれている一方でそういった事例はまだまだ少ないということを学習したからだ。このような日本の貢献が見える化され、日印の友好関係に大きく寄与するような事業が今後も広く行われていくことを祈るばかりである。

工事現場(地下)の様子                                              現場見学後の様子 作業員も一緒に休憩を楽しんでいた

 2. ホンダ工場

 日本が誇る世界的自動車メーカの一つであるホンダはインドに二つ工場を持っており、今回はそのうちの一つである〇〇工場を見学させていただいた。この工場単体で自動車の各種部品の製造から組み立て・塗装まですべて行える設備が搭載されており、ホンダのアジアの生産拠点の中でもかなり重要な位位置付けであるようだ。この工場の建設に際し、昨今の自動化の波に逆らい「なるべく自動化をしない」ということがテーマとされた。その理由としてインドは人件費も物価もいまだに低く、自動化を行ってもコストカットの幅が限られ、高い初期投資費を捻出する意義が少ないことが挙げられていた。実際工場を回らせていただいたが、どうしてもロボットで作業しなければ著しく効率性が落ちる部分以外に関しては、ほぼ人間の手で作業が行われていたようだった。従業員の教育も徹底しており、工場内に専門の教育センターが設けられてた。(余談だがスタッフの間で一番人気の工程は巨大ロボットを操作する工程だそうだ。)
この行程で自分にとって興味深かったことはグローバルに起こっている経営の合理化の潮流に対してのホンダの哲学の在り方だ。資本市場との対話が重視されている昨今、効率的に利益を上げることが求められいるが、その潮流にも動じないホンダのものづくりへの精神が印象的であった。先の話にもつながるが積極的に人材教育を行い、現地の製造業のレベル向上に貢献しようとする点や、販売価格を抑え利益が限りなく0になってしまっても現在の薄利多売の方針を崩さないなど哲学を決してぶらさないホンダのインド法人の経営方針は自分の中のいままでの価値観と相反するものであり、衝撃であった。

ホンダ工場 東京ドーム7個分?らしい

3 インド人学生との交流

 ツアー行程にはもともと含まれてはいなかったが偶然にもIITDの生物化学科の生徒と交流する機会があり、彼女の身の上話や将来の目標の話を聞くなどした。名前はAnantさん、22歳。可愛らしい笑顔がとてもチャーミングな彼女だが、出身の地域での女子学生としては初のIIT合格者であるらしく(そのせいか地元紙のニュースになったらしい)その自信とエネルギーは筆舌に尽くしがたいものであった。彼女の話(日本人の恋人の話や小学校のボランティアの話など)はぼんやりと人生を送ってきた私にとって非常に刺激的で身を省みさせられるものであったが、何よりも刺激的だったのがその視座の高さだ。IITDにマークザッカーバーグが来る機会があったそうだが、その時5人しかできない質問に選ばれたことを非常に誇りに思い(ちなみにこれも新聞に掲載されたらしい)、いつの日かマークザッカーバーグのような何者かになることを信じてやまない。世界で5人しか選ばれないオックスフォードのリサーチプログラムに応募し合格。自分がガンになったことから生物化学と生物機械のダブルディグリーでマスターを取り、そのような大きな病気をなくそうと尽力したいと考えているらしい。総じて常に世界を見ており、その中で自分がどういう存在になっていくかをしっかりと考え、非常に高いモチベーションでそれに向かいたゆまぬ努力を続けているのが見て取れた。この体験が自分にとって、この旅でなによりも衝撃的で価値観を揺さぶられた貴重な経験であり。今後の人生自分が社会的存在としてどうなっていきたいのか、そしてそのためにどんなレベルの努力をしていかなければならないのか再興させられるに至った。残り1年の修士、そしてその後の社会人生活をこの出来事を忘れずに、努力していきたい。

 

 

In this tour, there are 3 point by which I felt really impressed.

 Field trip to Delhi metro construction site and the office of Japanese International Cooperation Agency (JICA)

  1. Factory tour for a Honda car factory.in India
  2. Communication with an Indian student in IITD.

 All of them were definitely great experiences that I would have never gotten by myself and were very impressive because I was able to get to know about activities of Japanese institute and company in India and the level of top Indian students. Especially the third one was amazing, which was communication with a girl who had much high level of view about the career of herself.

These experiences gave me the chance to reconsider my career vision and future life plan.

Thanks for this tour and foundation of it.

          

India Tour 2017 Report     Yukimasa Higaki ( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

3月12日(日)~3月20日(月)の日程で「工学系研究科インド工科大学デリー校と現地企業視察」に参加した。私にとってインド訪問は初めてであったが、体調を崩すこともなく充実した9日間を過ごすことができた。本報告書では、感想を交えながら内容の行程述べ、最後に英語で全体の総括を述べる。

 

Holi祭の体験(3月13日)

Holi祭という、ヒンドゥー教の春の訪れを祝う祭りを体験した。すれ違った人に色粉を塗り合ったり、色水を掛け合ったりする祭りである。全身ずぶ濡れになって寒かったが、インドならではの祭りを楽しむことができた。このHoli祭で、インド滞在2日目にしてさっそく、インドの水を口にしてしまったが、お腹は幸いにして無事だった。

 

授業への参加と研究室訪問 (3月14日)

午前中には構造力学や水理学といった授業を受けた。学部3年生の授業ということもあり扱っている内容はさほど難しくないように感じたが、専門用語などの英語力不足のため、理解するのが難しかった。午後の研究室訪問でも、専門用語が分からず、話についていけなくなることがしばしばあった。専門用語の英語に慣れていく必要性に学部3年生の時点で気づくことができたのは良かったと思う

 

授業への参加と研究紹介 (3月15日)

午前中には鋼構造や水理学、空間情報学といった授業を受けた。この日も上記のような専門用語の英語の必要性を感じた。また、それに加え、IIT Delhiの生徒の意識の高さを感じさせられた。席は前の方から埋まっていき、授業中にも質問が飛び交う。遅刻をする人はほとんどいない。学校には勉強しに来ていると言わんばかりの姿勢だった。私も初心に戻り、勉強に対する姿勢というものを考え直さなければいけないと思わされた。

デリーメトロの工事現場見学及びHondaの工場視察 (3月16日)

午前中はインドのデリーメトロの工事現場を見学した。多少物が乱雑に放置されている様子が目についたが、気になった点はそのくらいで、想像していたよりはまともな工事現場のように感じた。午後にはHondaの工場を見学した。インドの人件費が安いことを最大限生かすために、機械化を最低限に抑え初期投資を少なくしているらしい。「機械化は儲けてから。」という方針は現地に適応したものだろう。海外での事業は、日本のものをそのまま導入するのではうまくいかないことも多いということを実感できた視察であった。

日本コンサルタンツ視察及びデリーメトロ視察とJICA事業説明 (3月17日)

午前中は、日本コンサルタンツでインドの新幹線のパッケージ型インフラ輸出における問題点に関して英語でプレゼンテーションをしてその後、新幹線事業に関して詳しい説明を受けた。午後には、デリーメトロに実際に乗車した。電光掲示板に表示される時間通りに電車は到着し、乗客は整列乗車をしている。日本の技術とともにその文化もしっかり根付いていることを見ることができた。そして、夕方には、JICAの事務所に訪問し、海外事業をする際の難しさやその克服方法など様々なことの説明を受けることができた。

タージマハル及びアグラ城見学 (3月18日)

この日は、往復7時間ほどかけてタージマハルとアグラ城を見に行った。なんといってもタージマハルは壮大だった。息をのむとはこういうことかと思わされた。その大理石で造られた巨大な構造物はムガル帝国の栄華、そしてシャー・ジャハーンのムムターズ・マハルに対する愛の大きさを物語っていた。

 

デリー観光 (3月19日)

この日はインドにいる最終日ということもあり、朝7時から観光した。レッド・フォートと呼ばれる城塞やシク教の寺院、レールミュージアムなどに行った。シク教の寺院では、現地の人に教えてもらいながら、シク教の文化を体感することができた。レールミュージアムでもインドの鉄道の歴史の長さを実感させられた。

Summary

I took part in this program for the following two objective. Firstly, I wanted to interact students in IIT Delhi. In fact, I had time to talk to some students. However, I could not talk about study, because I had not studied for research papers. Therefore I would like to take part in this program once more in the master’s course. Secondly, I wanted to know overseas projects. In fact, I could see construction site in Delhi Metro and learn many overseas projects. It helped me to understand overseas business.

I could also go sightseeing in India, and have a chance to understand Indian culture. For example, I visited Gurudwara Bangla Sanib, one of the most prominent Sikh house of worship. In this place, a man teach me how to sightsee. Thank to him, I could put on a turban, sightsee such like others in this place.

Moreover, I learned many things in India. For example, I think that I should study technical terms in English and improve my English skills. In fact, I could not often understand what technical terms meant and what was said because of my poor English skills. It disappointed me.

In this way, through this program I had great experience. Therefore I thank those who prepared for this program and gave me this chance.

 

 

India Tour 2017 Report     Takumi Hanaoka ( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

Incredibly incredible India

3/12  ~Go to India~

Our airplane delayed because of the maintenance and changing the plane, so we waited for about 3 years. Therefore, our arrival time at IIT Delhi was around 12 PM. We stayed at Faculty Guest House in the campus. The faculty of it was not so good. The bed was comfortable for me, but the bathroom was poor. And I paid attention to tap water because, in India, it is said that the tap water was harmful for Japanese, so I used the bottled water when brushing, drinking, and rinsing out my mouth.

The entrance

3/13  ~Walking around the campus and taking part in Holi festival~

Mr. Lav the Ph.D. student IIT Delhi, came and showed us the campus. When we were walking, students walked up to me, and they painted us! This was the Holi festival at that time. In this festival, people celebrate spring coming and people paint other people. We went Me, Lav’s hostel, then in the yard students were sprinkling other people with water, painting friends and dancing with music. There were some DJs. First we were overwhelmed by the power of IIT students, but at last, we danced together with shout. My face remained red for three days because of ink.

Holi Festival

3/14  ~Class in IIT Delhi and looking their labs~

We participated in the class (perhaps for Bachelor 3rd) in IIT Delhi. Some teachers didn’t appear in the classroom. It was what is called ‘the time in India.’ Then the class started. The class was interesting because the contents were similar to that in Japan but the lectures were held in English. I could fully understand if Japanese was used in the class, but I wasn’t able to understand many of contents. The teacher and students spoke so fast and also I didn’t know many technical terms. This was shocked to me. Which students would the companies like to need? I could not help thinking that the answer was Indian students. It may be true that Japanese don’t yield to them in several points, but they were better than Japanese in saying what they thought. Namely, they were good at the output. In this way, I felt it was important to be able to use English. Now I believe that much of the class should be held in English when the students are Bachelor (In many master course, students use English), though I protested to it.

After having lunch, we observed their laboratories, which were related to civil engineering. For example, concrete structures laboratory, materials research laboratory and so on. I am interested in transportation so I was looking forward to visiting transportation laboratory, but because of lacking members, we didn’t visit there, unfortunately. In general, labs and companies have stronger connection than in Japan and the labs are asked to research something. Colleges take a role of consulting companies. The faculty of the labs was quite poor.

The door of the laboratory

3/15  ~ Class and presentation in Delhi ~

In this day, we also joined the class. Of course it was difficult to able to understand, but I was able to understand better than yesterday, and, I tried asking them to tell me one more time, which was the change of me. I was gaining confidence in communicating with foreign people.

In evening, we visited the Todai office in India. The chief representative of there, Mr.Yoshino, told me about India such as culture, thought, religion and economy in India. For supper, he took us into Japanese restaurant. It was nice Tendon!

Classroom                                                            Todai Office

3/16   ~Delhi Metro and Honda~

In the morning, we went to a part period of Delhi Metro which was under construction. It was precious time because the new Metro in Japan is not planed now, so we cannot see the construction site of the metro. The shield tunnel is used. The site was neat, I thought, but it seemed that the staffs are lazy, though it is said that one of the most important factors of realizing Delhi Metro is to change the attitude of Indian’s workmen. I thought it was difficult to change the mind of labors in India.

After that, we visited the factory of Honda in India. The president of Indian Honda graduated in our department, so he coordinated this tour. Thanks to him, the chief of factory showed us around. We were able to see where we cannot enter in Japanese factories. The chief told us about the aim for Honda to realize. Soichiro Honda is famous president in Japan and it is well known that his philosophy is enthusiastic and stimulating. That philosophy also exists in India. If people in Delhi had this spirits, this country would change better. I hope workmen in Delhi Metro should

know it. On the other hand, in Japan, that thought starts to be regarded as old one. Should we change the thoughts against business as the economy are growing? Does not the essential of business change? It is difficult problem.

Inside Delhi Metro                              Entrance of HONDA                                      Conference Room in HONDA

3/17  ~Japan International Consultants and JICA~

Japan International Consultants (JIC) is a new company for consulting high-speed railways in India. This company was founded after India decided to adopt Japanese Shinkansen. The staff came from Japanese companies such as Japan Railway East, Nippon Koei and Oriental consultants. We had prepared our presentation for this visit, and made a presentation in front of them. In that presentation, we explained the risk if India adopted the Shinkansen system exactly as it was, and suggested the solutions. After that, they commented about suggestions in our presentation.

In the afternoon, we visited the JICA office in India. On the way to go there, Ms.Furuhashi, a staff of JICA and graduator of our department came to see and showed us around the city of Delhi. I was surprised to see the sight of Chawri Bazar. There were many cables along the houses. The staff said that they were for stealing electricity, what was called ‘theft.’ There were many people. Some people sat, some were lying, and others sold some foods. There were many vehicles such as cars, taxis and auto rickshaws (three-wheeled taxi). We could always hear beeps. That city was ‘chaos.’ On the other hand, I felt enormous energy and potential.

After we arrived at the office of JICA, Ms. Furuhashi explained the activities of JICA India, and the chief representative, Mr. Sakamoto, explained not only the activities in India, but also philosophy in JICA. I was impressed and was able to understand the spirit of JICA.

JIC                                                                          Chawri Bazar                                     JICA Office in India

3/18, 3/19 Sightseeing such as Taj Mahal and Red Fort

After we finished main activities, we went to some world heritages such as Taj Mahal and Red Fort. Also, I went to bazars on the street. By both experiences, I could know culture and tradition in India.

 総括

インドと日本の高速鉄道での関係、そしてインドとはどういう国かを視察しに行ったわけだが、日本、そしていま自分が置かれている状況を客観視することが出来た。総括として、前者は英文で触れたので後者について和文で書く。

その瞬間瞬間を存分に楽しんでいるインド人を見てどことなく羨ましく感じ日本人の性格について考えさせたり、インドで働く日本人の苦労とやりがいに触れたり、そしてとりわけ同年代のIIT生で、自分よりはるかに大きく自分のフィールドを設定している姿に感銘を受けるのと同時に、自分の視野の今までの狭さに落胆したりした。今回の研修は、インドの高速鉄道の視察だったが、それ以上のものを得られた。これらはきっと自分の今後のキャリア形成に影響を及ぼすだろう。このプログラムを皆に勧めたい。

 

India Tour 2017 Report     Atsushi Ishii ( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

プログラム

3/12-3/20の期間において世界展開力強化事業のプログラムにおいて、インドのデリーに滞在し日系企業訪問、IIT,インド工科大学の授業に参加させていただきました。1週間の間IITのゲストハウスにおいて宿泊をさせていただきました。首都デリーにて鉄道技術に関連した企業等を視察する日印政府がインド高速鉄道導入で合意したことを受け、鉄道技術関連分野について日印連携の重要性がますます高まっていくという点でJICのオフィスにおいて課題の発表を行いました。

普段は都市工学科の都市環境工学コースに属しているため、このようなインフラを見学するのはとても良い機会でした。

1,2日目

飛行機の大幅遅延のため、到着が遅れ、1日目はそのまま次の日に備え、就寝しました。

2日目ではインドの祝日、ホーリー祭であったため学内でこの祭りに参加しました。思ったより激しく、ペイントだらけになり3日ほど体のペイントの色が落ちないほどになりました。ただ、一緒に踊ったり、濡れたりしてIITの学生と楽しく触れ合えたため楽しめました。

その後、IITの生徒の方に学内を軽く案内してもらいました。日本では考えられないほど野良犬が多く、道路に横たわったり、歩いたりしていました。

この日はインドに来て初めてインドカレーを食べた日でもあり、かなり美味しくいただきました。日本では考えられないくらい安かったと聞きました。

3日目 午前中はIITの授業に参加させていただきました。授業の内容は、水理学、ダム工学、構造力学と行ったもので社会基盤学科で習うような内容となっていました。都市工学科でも同様な内容の授業があるためだいたいの内容はわかりましたが授業は英語で行われていたため、新鮮でした。授業の形式は日本と同様な感じで先生が板書をするという形を取っておりました。(東大と同じように女子学生がほとんどおりませんでした。)授業後は、先生方に校舎の案内をしていただきました。一つの棟に多くの研究分野の研究室や実験室があり、充実しておりました。コンクリートの実験室をはじめ環境系の化学実験室まで拝見させていただきました。その後は、インドの東大事務所にお邪魔させていただきました。インドからの日本への留学をするための事務所として活動されておりました。所長の吉野さんから、インドの情勢、インドの学生について、シビルのこれからについてなど様々な貴重なお話をいただきました。あまり他では聞けないこともあり、個人的にはかなり興味深い話で楽しめました。

 

4日目

前日同様、午前中は授業に参加させていただきました。授業内容は、構造系統の授業とGISに関する授業内容となっておりました。

午後は、院生の方々がそれぞれの研究内容のプレゼンを発表されており、学部生の我々は学部の授業内容や普段の大学生の活動について軽くは発表する形となりました。

加えて、帰り際に見つけた川が異臭を放っていることに気がつきました。下水が川に流れてしまったのが原因だそうです。聞いた話によればインドの水道インフラは上水道と下水道が並列で進んでいるため、破裂し時々混ざることもあるため水質には注意した方が良いと聞きました。

5日目

午前中は、デリーの鉄道の工事現場を見学させていただきました。鉄道の工事現場を見たり、実際に線路の上に歩いたりすることは初めての経験であり、かなり良い経験をさせていただきました。どのようにトンネルが掘られるのかを始め、どのように線路が作られるのかなど多くのお話を丁寧に教えていただきました。

午後には、デリーから少し離れたところにあるホンダの自動車の工場の見学をさせていただきました。向かう途中において道路に多くの牛がいるのを見かけました。デリーでも見られない様子であり、ヒンズー教の存在を感じました。

工場に着くとまず、ホンダのデリー支社の社長から軽く事業の説明を受けその後工場に行き工程を見学させていただきました。インドの自動車の製造過程と他国の製造過程との違いとして、全自動化に敢えてせず、手作業でできる部分は手作業でできるというものがありました。それは初期投資の安さ、インド人の人件費の安さや手作業の正確性によるものだと聞きました。

6日目

午前中はJICの事務所に訪問し、このプログラムの課題でもあった、日本の新幹線の技術を輸出する際に現地のインドで起こる問題点に関するプレゼンテーションをしました。どの班も、最も大きな問題として用地収用の問題をあげており、 JICの方々もその課題が最も大きな問題点としてあげておりました。インドではスラム街の用地収用や道路に不法に住んでいる人々を退去させるのが難しいと聞きました。

発表の後は質疑応答や、事業の具体的な説明を受けました。インフラ業界の仕事のようすを間近で実感することができ貴重な体験となりました。

 午後には、JICAのインド事務所を訪問させていただきました。まず、JICAのインド事務所の方にデリーメトロの現地において説明を受けました。インドの地下鉄が想像していたよりもはるかに清潔に保たれており感激いたしました。また、電車の中も安全で比較的広く感じました。電車は時間内に発車し時間内に到着しており正確性の面でも優れていました。JICAとして以上のことを達成するために多くのことを行ったそうです。途中、チャンディチョークという駅で途中下車し市場を実際に軽く歩きました。今までのインドの中ではもっとも(インドらしく)汚く人が込み入っておりました。最も驚いたこととして、電線が複雑に絡み合っていることがあります。インドではよくあることで、都市インフラが未発達のところでは盗電という現象が起こることでおきるらしいです。また、インドでは停電もよくおこることであり、その点も問題点であると言われています。

現地説明のあとは、JIKAの事務所において事業の説明、質疑応答をしました。明確でわかりやすく説明してくださり、JICAの事業が良く理解できました。JICAのインド事業では、デリーメトロをはじめ、水道インフラなどインフラ事業に力を入れているとききました。JICAのインドの都市インフラに与える影響力の大きさを感じました。

7日目

 この日は主に観光を行う日となりました。早朝から4時間ほどバスでタージマハルに行きました。思ったよりも白く大きく対称性のきれいな建物となっておりました。インドのムガル帝国であったころの歴史を学びました。その後、アグラ城にも行きました。

 

日目

最終日でした。学部の同期と多くの観光名所をまわりました。その後全体でクトゥブミナールをみました。

最後に

このような機会を設けて頂きありがとうございました。すべてが新しい経験だらけで貴重な体験をさせていただきました。インドの優秀さを実感したと共に、社会基盤の分野に非常に興味をもちました。英語の技術を発展させると共に自分の研究分野について深く勉強していきたいと思いました。ありがとうございました。

 

India Tour 2017 Report     Shin Takada ( UTokyo )

28 Apr. 2017 / India Report, Students' Voice

インド成長への展望と課題を見て

1.背景

ここ数年の間、インドは7%代の経済成長率を記録し、さらに10年以内に人口が中国を抜いて世界トップになると予想されるなど、世界中から有望な投資先として注目されている。日本も同様に、「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」を結ぶなど重要な友好国として、また投資先として、官民ともにインドへ熱視線を送っている。インドではこれまでJICAによる多くの有償・無償の資金協力や技術協力が行われてきたが、なかでも円借款および日本の民間企業からの技術移転が行われたデリーメトロ建設プロジェクトは、JICAの「質の高いインフラ」建設・運営支援の成功例として知られている。2015年12月の日印首脳会談では、ムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道建設事業にて「日本の新幹線方式」を採用することが決定され、日本の官民さらには東京大学が技術支援および運営のための人材教育に今後力を注ぐことになる。

2.活動内容

活動内容は下表のとおり。またこれ以外にも授業時間外での現地学生との交流や、デリー市内の観光をした。

特に日本コンサルタンツとJICAの現地事務所の訪問では、それぞれ高速鉄道建設事業とデリーメトロ建設事業について、事前に研究を行ったうえでプレゼンと質疑を行い、交通インフラ建設支援についての理解をたいへん深めることができた。

3月12日 成田空港にて集合、デリー到着後IITデリー校キャンパスへ
3月13日 ホーリー祭に参加
3月14日 IITデリー校にて授業参加・東大についてプレゼン紹介
3月15日 IITデリー校にて授業参加・研究室訪問
3月16日 デリーメトロ建設現場・ホンダ工場訪問
3月17日 日本コンサルタンツ・JICAインド事務所訪問
3月18日 タージマハル・アグラ城見学
3月19日 デリー市内観光
3月20日 成田空港にて解散

3.考察

今回のIITデリー校と日系企業への視察、およびデリーメトロの建設現場と完成した区間での乗車を通じて、インドの成長への大きな兆しを強く感じるとともに、そのなかで課題になること、またそれを乗り越えるために日印で協力できる分野や手法について学ぶことができた。

7日間全体を通して、インドのもつパワーをひしひしと感じた。道路には車とバイクが溢れ、クラクションがそこらじゅうで鳴らされているニューデリーの光景から、途上国特有の活力が感じられる。また多くの場所でビルの建設や地下鉄工事が行われており、インドに投資が集まっていることが感じられる。

事実、訪問したホンダの工場は設立以来4度の拡張工事を続けており、特徴として、敢えて自動車製作ラインにロボットを極力導入せずに人件費の安い労働力を投入しているという。中国の現在の自動車市場2,000万台に対し、インドは未だ340万台に留まっており、今後10~20年での伸びが大きく期待されている。

インドが他の途上国より優位な点として、教育に力が入れられていることが挙げられる。今回の視察では2日間かけてIITデリー校のCivil Engineering Departmentの授業に参加したうえで、互いの大学や研究の様子について紹介しあった。授業内容はHydraulicsやSteel Designなど、東大の社会基盤学科にも共通する分野であった。授業によってはIITの先生が流暢な日本語でIITと東大のそれぞれの強みについて熱心にお話していただくなど、IITの様子を知るとともに、インドや海外といった視座から東大を観ることができた。キャンパスは広く清潔であり、サッカーやクリケットのためのグラウンドをもつなど、学業とキャンパス生活に十分集中できる環境が整えられていた。

IITの学部間にもレベルの違いがあるという。特にコンピュータ学科は定員が他の学科より少なく抑えられていて競争も激しい。大学全体として入学、卒業のハードルが両方高く、またカースト制度の名残というインド特有の文化背景も相まって、教育に関する競争はかなり激しい。このように人材教育に関しては日本とは状況がかなり異なり、今後Sundar PichaiやSatya Nadellaのような、世界レベルで活躍できるインド出身の優秀な人材が増えていくことが十分期待できる。

一方、未だ貧困や低開発に囚われるインドの現状もかなり見受けられた。

デリーを離れて隣の州などに向かうと、野良犬や野良犬を多く見かける。タージマハル観光の際にも物乞いやバスの乗客への売り歩きといった、いわゆる「インフォーマルセクター」を生業とする人たちを多く見かけた。デリーにおいても、デリーメトロ、イエローラインのChawri Bazar駅を降りるとそこはスラムの中心である。電線は盗電目的で勝手に引かれた電線とで輻輳し、道端では子どもが裸で歯を磨いていたりする。ニューデリーのような都市は例外で、インド多くの地域はこのような状況なのだろう。まだ経済発展の余地がかなり感じられた。

ただ、健全な経済発展を遂げるには課題がある。デリーにあるJICAインド事務所にて、インドの経済発展に向けてJICAが行っている取り組みについてお話を伺った。

日本企業がインドへの投資を検討する際の最大の懸念材料として、インフラ整備の遅れがある。特に発電所については、インド全土の電力を賄えておらず停電もよく発生している。下水道を使用できるのもインド全体の人口の半分ほどである。JICAはこれらの公共インフラ、またデリーメトロやチェンナイメトロなどの交通インフラ整備への技術的、経済的な支援を行ってきた。JICAのインフラ整備支援の特徴として、「質の高いインフラ」整備を目標としている。ただ最新技術を用いて構造物を建設するだけでなく、InclusivenessやResilienceといった指標を用いて、最適なスキームをつくることにより「質の高いインフラ」を目指している。

日本コンサルタンツインド事務所を訪問した際には、ムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道建設事業を行ううえで、問題点やその解決方法について生徒の側からプレゼンを行い、その後社員の方からフィードバックをいただいた。現在日本コンサルタンツが直面している大きな問題として、すでに大枠で合意したことはずの事柄において、より具体的にインド国側と交渉していくうえで意見衝突が生じ、既存のフィージビリティスタディの前提を変更せざるを得ない状況にあるという。例えばフィージビリティスタディの段階では市街地に駅を造る計画であったものの、インド国側の「この構造物を取り壊すわけにはいかない」という主張により、線形をずらすことになったという。

ただ、このような問題は日本において1950年代東海道新幹線の建設時にも生じている。当時は新幹線高架橋を道路や既存の線路の上につくり土地を有効活用するなどの工夫で問題を克服したという。今後、インド側から数十人のスタッフをJR東日本の研修センターに招き、日本の技術や運営ノウハウを教育する予定であるが、その中でこのような日本の経験が活かされてこそ、中国でもなくフランスでもなく、日本がこの案件を受注したことに意味があるのだと思う。

感想

元々途上国でのインフラ整備事業に興味があり、インドでの高速鉄道事業のことも「なんとなく」知っていて関心があったため、このプログラムに申し込んだ。インドという国についても、「注目しなければならない新興国」という程度の関心があった。だが、参加が決まった後、事前課題に取り組む中、そして現地で実際にインドの空気を吸い、道を歩き、建設現場に赴き、日系企業の方にお話を聞く中で、インドという国のイメージ、またこの国で事業を行ううえでの解決すべき課題がよりはっきり見えてきた。

例えば、事前課題の中ではインド特有の気候(高温、雨季)や不十分なロジスティックスのためにセメント資材の調達が問題点の一つであるとし、その解決案としてプレキャストコンクリートを用いることを提案した。解決案自体はありきたりな手法ということもあり内容に自信が無かったが、プレゼン後に日本コンサルタンツの職員の方から「Excellent presentation.」と言っていただいた。あのときの嬉しさは今でも覚えている。

確かに高速鉄道事業を実現する上で課題は山積みだが、一つ一つの資料を見るだけで本当にわくわくする。東海道新幹線が日本の社会を変えたように、またデリーメトロがデリーにイノベーションをもたらしたように、日本形式の「インド新幹線」がインドを変えていく様子を見ていきたい。また自分もシビルエンジニアとして、国を変えるインフラをこれからつくっていきたいという想いがより強まった。

最後に、このプログラムでは本当に多くの刺激的な経験をさせていただいた。タージマハルの美しさ、ゲストハウスのカレーの美味しさ、何度も乗ったリクシャ、対比的なニューデリーとオールドデリーの街並み、そしてインドで事業に携わる企業の方々とIITデリー校の生徒の熱意、すべてが印象深い良き思い出である。このプログラムに関わったすべての皆さまに御礼申し上げたい。