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24 Apr. 2019

India Tour Report 2019        Wataru Arana (UTokyo)

・affiliation :社会基盤学科
・duration :February 20-27, 2019
・program :工学系研究科インド工科大学デリー校と企業視察

カルチャーショックをなめるな!

2018年12月頃,UTASにて工学系研究科よりインド訪問ツアーの告知がなされた.渡航費・滞在費・現地移動費が出るとの好条件につられて応募してみたところ,思いがけず選ばれることとなった.学科の授業でJICAのインド高速鉄道プロジェクトの課題について少し勉強したことがあって,実際のところを少しでも見てみたいという具体的なモチベーションもあり,とても楽しみにしていた.全8日間の行程を終えてみると,楽しいことや勉強になったこともたくさんあったが,いやなことやうんざりすることも同じくらいあったなあと感じる.

・IIT Delhi訪問

 1日目と2日目はIIT Delhiへと足を運んで,研究室訪問や授業の聴講などを行った.コンピューターサイエンス・インド経済・材料力学・気候など様々な分野の講義を受けたが,すべてに共通して言えることが学生と教授の距離感の近さだった.教授は友達に話しかけるかのように学生に質問を投げかけるし,学生も委縮することなくそれに応じる.教室の席は前から埋まっていくし,みんな仲良しなのか固まって座っている人も多い.自分が集団に向かって表現することへの心理的な抵抗が小さい人ばかりだなあと感じた.工程の一部では各自の専攻に応じた簡単な研究室訪問の機会があり,私は土質,地盤,基礎などを扱っている研究室を見学させてもらった.インドでも日本でも基礎的な装置はあまり変わらないものの,細かい部分ではインド固有の問題に根差したアプローチがとられているものもあった.

インド経済の授業を終えて
杭基礎に関する実験装置

・観光

 前半はスケジュールに余裕があり,2日目の午後はIITの学生に案内してもらってレッドフォートを観光した.とにかく大きい!あまりに大きくて全景が写真に入らない.中を見終えて外に出るころには日が落ちていて,ライトアップがされていたが,それも抜群にフォトジェニックだった.入場のためのチケットを買う際,はじめシステムがわからずにインド人用の列に並んでいたのだが(多くの観光地では外国人とインド人の値段が異なる.だいたい5~10倍くらい外国人のほうが高い),列間をこれでもかというほどつめてくる!後ろの人が体温を感じるほどに密着してくるので,参ってしまった.インド人的には,列に割り込ませないための習慣のようだが・・・この例に限らず,インドの人はとてもフレンドリーでパーソナルスペースが狭い.ほかにも,会って二日目のインド人(男)が,私(男)と写真を撮るときに手をつないできたのにはびっくりした.インドでは仲のいい友達同士で手をつなぐことはいたって普通なそうだが,どうにも距離感の取り方には最後までなれることができなかった.

レッドフォードの門 ライトアップがとてもきれい

・現地NGO訪問

 3日目は現地のTaraというNGOを訪問した.知識のない田舎の農民たちに対する啓蒙的な活動をはじめとして,より効率の良い暮らしを求めて実務的なアプローチから取り組んでいる印象を受けた.フライアッシュを70%も使っているというエコレンガを見せてもらったときは,そんな使い道があるのか!とテンションがあがった.

フライアッシュでできたエコレンガ 多少もろいが普通の用途なら大丈夫らしい

・3日目の午後と4日目も観光をした.遺跡を見たり,ショッピングモールへ行ったり,タージマハールを訪れたり・・・

・5日目は現地コンサル企業Tata Consultancy Services訪問・JICAインド事務所訪問があったが,前日の夜に体調を崩してしまったため一日中ホテルで休んだ.プログラムの応募動機がJICAの話を聞きにいったようなものなのでとても悔しかった・・・

原因として怪しいのは,前日の夕食の際に飲んだビール?でも栓はしっかりしてあった.それまでの疲れがたまたまこの日に出ただけかもしれない.

・Honda Cars India訪問

 最終日の6日目にはホンダのインド工場を見学させていただいた.工場内での撮影はできなかったので写真はないが,製造プロセスは日本のそれと大差はないように思った.とはいえ,作業の機械化は進んでおらず,たくさんの従業員の方たちが作業に従事していた.現地の雇用を生むという意味で,技術的には可能なものの手作業で行っている工程もあるそうだ.

あまり海外に慣れていない私が突然インドに行くのはなかなか挑戦的だった.空港の免税店でおみやげを買ったときすらぼったくられそうになるわで,気の休まるときはなかったが,異文化を体験するということ,またインドでも研究の様子は日本と大きく変わらないことなどを自分の目で・肌で確かめられたことは貴重な経験になると思う.

最後にインドのノラ牛とともに